スピーカーユニットの性能を引き出す匠の技!

デットニングとは

スピーカーを交換するにあたってオススメの作業があります。スピーカー性能をより引き出す効果絶大の作業、それは、『デットニング』です。「デットニングって何?」とおっしゃる方も多いと思いますので少しご説明します。

スピーカーは音を出すために振動板であるコーン紙が前後にストロークします。その振動がドアパネルに伝わり共振してしまうと共鳴音が出てしまい、その共鳴音がスピーカーから出てくる音と混ざって、濁りのある音になってしまうのです。デットニングをする事によって共鳴音等の余計な音を無くしスピーカー本来の音を聞けるようにするのです。また、ドアの鉄板を制振するときに気を付けないといけないことがあります。それはドアパネルの場所の違いによって共振周波数が違うということです。ドアのある部分を叩いてみると「バィン!バィン!」と音がする所があります。そして違うところを叩いてみると「コン!コン!」と音を出します。それらの箇所に同じ制振材を貼るよりも、それぞれの箇所に見合った制振材をしっかりと貼ることが重要なのです。

マイスターでは数種類の制振材を使い分けることによりドア鉄板の共振を抑えていきます。そしてその制振材をドアに密着させる為に、しっかりと圧着させる事も重要なポイントで、手にデットニングまめが出来るほどです。

 

そして、もう一つ重要な事があります。

それは、カーオーディオの変わった販売方法に原因があります。

ご家庭で使用するスピーカーを電気屋さんに買いに行ったとします。そこには色々なスピーカーが売られています。高級なものやミニコンポのスピーカー、最近ではパソコン用のスピーカーやiPod用のものまで様々です。そしてそれは必ずと言っていいほど箱の中にスピーカーユニットが組み込まれています。しかし、カーオーディオのスピーカーはユニットのみで販売されているものが大半を占めています。

ホームオーディオはなぜ箱に入って売られているのでしょうか?

スピーカーはコーン紙の部分が前後に振動することにより空気を震わせ、音に変換するのです。

スピーカーの表から出てくる音と裏から出る音は同じ音なのですが、位相のみが正反対の音です。スピーカーの表から見てコーン紙は前後に振幅するので前に出る時がプラス、後ろに下がる時がマイナスとします。この動きが続くのですがこれをよくサインカーブで表します。すなわち表の音はプラスから始まるサインカーブ、ではスピーカーを後ろから見ると後ろから始まるのでマイナスから始まるサインカーブ、これが逆位相の音です。

ではプラスの音とマイナスの音が交わるとどうなるのか?それは打消しあってゼロになってしまうのです。

この状態ではスピーカーは動いているけど音が出ていない状態になりかねないということです。それを防ぐためにスピーカーユニットを箱の中にいれ、裏から出る逆位相の音との干渉を防いでいるのです。実際には高域の音は指向性が高いためあまり回り込みはありませんが、音が低くなるにつれ回り込みが大きくなってきます。音が回り込みやすい低域ほど打消しあって本来の音が再生されなくなるのです。

スピーカーユニットをドアに取り付ける場合、ドアにはサービスホールと言われる穴があいているので、そこに制振材を貼って蓋をし、その穴から音が回り込むのを防ぐのもデットニングの重要な作業のひとつです。そしてボックス化したドア、いわゆるエンクロージャー化したドア内で音をきれいに響かせられるよう適度に拡散材や吸音材を貼ることにより美しい音の表現が可能になるのです。

 

ホームオーディオのスピーカー開発時、メーカーが試行錯誤でボックスを作るように、マイスターでは車一台一台環境の違うドアをエンクロージャー化するのに試行錯誤をするのです。

こうしてデットニングをする事により力強く美しい低音を再生することができ、ボーカルやギターなどの中音域も濁りの無い透明感のあるハリのある音になるのです。

音の基礎となる低音部をしっかり鳴らすためには不可欠なデットニングは奥が深いので、インストーラーの腕の見せどころですね。


デットニングプラン ラインナップ

DN(デットニング)ファースト       15,000円

DNライト                 25,000円

DNスタンダード              40,000円

  DNスタンダード・トリム        66,000円

  DNスタンダード・トリム・エアダンパ  96,000円

DNスタンダード匠(たくみ)        60,000円 

  DNスタンダード匠・トリム       86,000円

  DNスタンダード匠・トリム・エアダンパ  116,000円

DNスペシャル                  80,000円

  DNスペシャル・トリム          106,000円

  DNスペシャル・トリム・エアダンパ    136,000円

ザ・制振 サウンドチューニング         150,000円

※価格は税別表記です


DN(デットニング)ファースト 15,000円(税別)

スピーカーの周りとスピーカー背面を制振します。

まず最初に、スピーカーの振動がドアの鉄板部分に伝わり共振しないようにします。

鉄板が共振するとそこから音が出てしまいます。スピーカーから美しい歌声が聞こえるのに、その周りから汚い歌声が発しない様、振動を止めます。

 

DN(デットニング)ライト 25,000円(税別)

スピーカーの周り、インナーパネル半分とスピーカー背面を制振します。

デットニングファーストよりも制振する範囲を広げて、より制振の効果を出します。また、スピーカーの背面側、すなわちドアのアウターパネルにも制振を施し吸音、拡散をいたします。

これにより、ドア内部での音の響きの透明感が増してきます。

 

DN(デットニング)スタンダード 40,000円(税別)

スピーカーの周りとドアのインナー・アウターパネルの共振ポイントを探しながら、全体をまんべんなく制振していきます。一番オーソドックスなタイプで、低域の豊かな響きが心地よく鳴ります。

アウターパネル側の共振ポイントを制振することにより、音のエネルギーが車外に漏れるのを抑制します。アウターパネルの共振イコール車外への音漏れと言っても過言ではありません。そしてエンクロージュア化したドアの内部で、きれいに音を響かせれるよう吸音・拡散をよりしっかりと施工します。

これによりスピーカーの持つ本来の性能を発揮できるようになるのです。

たまに、〇〇〇社制のスピーカーは低音が鳴らないとの意見を耳にすることがありますが、デットニングをした上でトーンバランスが整うように作られている真面目なメーカーのスピーカほど、デットニングをしないとそのように聞こえるかもしれませんね。

 

DNスタンダード・トリム 66,000円(税別)

スタンダードに加えドアトリムもしっかりと制振します。

DNスタンダードを施したドアから奏でられるサウンドは非常にクオリティの高いものになります。

そこで気になってしまうのがドアトリムの共振音です。

そのエネルギッシュなサウンドは、残念ながらドアトリム(内張り)を共振させてしまいドアトリムから濁った音が出てしまいます。低域は良くなっているけれども、ちょっと音がぼやけて聞こえるという方はドアトリムの制振をした方が良いかもしれません。

最近の車両は、コストダウンと軽量化の為に残念ながらかなり薄いドアトリムを使用しているケースが多いので、ドアトリムを制振することによっての音質向上効果は大きいです。

また、走行中のロードノイズ低減にも繋がりますので、より良い環境で音楽をお楽しみいただけます。

 

DNスタンダード・トリム・エアダンパ 96,000円(税別)

スタンダード・トリムのインナーパネルとトリムの隙間にある空気の動きを止める作業を施します。

DNスタンダード・トリムまで施工するとSN感が増し、今までは聞こえなかった微細な音まで聞こえてくるようになります。

そこで更なる音質向上を目指しエンクロージュア化したドアからトリムへと伝わってくる透過音を低減させるべく、その隙間に空気の動きを遮蔽するものを入れます。

これにより、ドア内部から浸透してくる逆位相の音を抑え込むことが出来、より解像感と透明度の高い音になります。

ここまでくると、ドア内部の事は一通り完了したことになりますので、段階を追ってでも是非ともここまでの施工を目指してください。

 

DNスタンダード匠 60,000円(税別)

スピーカーの周りのより広い範囲を制振して付帯音を低減します。またインナーパネル側のサービスホールを塞ぐ事は勿論、スタンダードに比べより広い範囲の制振をします。

これにより、解像度の高い、厚みのあるサウンドを手に入れる事ができます。

アウターパネル側の共振ポイントを制振することにより、音のエネルギーが車外に漏れるのを抑制します。アウターパネルの共振イコール車外への音漏れと言っても過言ではありません。そしてエンクロージュア化したドアの内部で、きれいに音を響かせれるよう吸音・拡散をよりしっかりと施工します。

これによりスピーカーの持つ本来の性能を発揮できるようになるのです。

 スピーカー交換ミドルプランにお勧めのドアデットニングです。

 

DNスタンダード匠・トリム 86,000円(税別)

スピーカー周りのより広い範囲を制振して付帯音を低減したDNミドルでは、エネルギッシュでクリアなサウンドの再生が可能となります。

ドア鉄板の共鳴が抑えられ、鉄板からの共鳴音を低減する事ができます。そうなると今度は今まで気づかなかったドアパネルの共振が耳に着くようになってしまいます。

音のエネルギーがドアパネルを共振させ、トリムから濁った音を発しているのです。この余分な振動を抑える事により、一段とSN感と音質が向上致します。

特にモワモワっとした低域をクリアにします。

 

 スピーカー交換ミドルプランにお勧めのドアデットニングです。

 

DNスタンダード匠・トリム・エアダンパ 116,000円(税別)

スピーカー周りのより広い範囲を制振してドア内部の音をきれいに響かせ、ドアトリムの付帯音までも低減したDNミドル・トリムでは、この上なく上質なサウンドの再生が可能となります。

更なる音質向上を図るために、ドア内部の空気の動きを制限し、スピーカー本来の美しい音色を忠実に表現します。

 

 スピーカー交換ミドルプランにお勧めのドアデットニングです。

 

DNスペシャル 80,000円(税別)

DNスタンダードまでではそれぞれのパネルを満遍なく制振してきましたが、DNスペシャルになると、ドアアウターパネル・インナーパネルの共振ポイントを探りつつ、全面を制振します。

ドアの全てのパネルをより大きな面積で制振する事により、共振による付帯音をより抑えます。

 

NDスペシャル・トリム 106,000円(税別)

DNスペシャルに加えドアトリムの制振を施工します。 

NDスペシャルを施したドアから発せられるサウンドは、ドアの共鳴によるいやな付帯音が大幅に低減され、スピーカー本来の美しく高解像感なサウンドを感じる事が出来ます。

しかしながら、

エネルギッシュなサウンドはドアトリムを共振させて、いやな付帯音を作り出してしまいます。

これを抑えるには、やはり、ドアトリムもしっかりと制振する必要性があります。

スピーカー本来の美しくも透明感を持つサウンドを楽しむのであればお勧めしたいコースであります。 

 

NDスペシャル・トリム・エアダンパ 136,000円(税別)

DNスペシャル・トリムに加え エアダンパ作業も追加します。

これにより、ドアからの付帯音を大幅に低減することが出来、純粋にスピーカー本来の音を楽しむことが出来ます。

 

スピーカーの性能発揮できるかを左右するのが、ドアのデットニングです。デットニングの方法も様々ですので、お求めになるサウンドや、ご予算に応じてお選びください。

 

 

ザ・制振 サウンドチューニング 150,000円~

※同じスピーカーでもデットニングの仕方で音質は変化します。どのような音づくりを目指すかによって、上記以外のデットニング方法もありますので、お客様のご要望もお聞かせください。

 


スピーカーケーブル交換


スピーカーを変えたらスピーカーケーブルも変えましょう!

情報量の高いスピーカーユニットには情報量の高いケーブルを。

スピーカーユニットを交換したらスピーカーケーブルも変えないとせっかくの性能が発揮できません。

音質を向上させるために高解像度のスピーカーユニットを選択し取り付け、そこへヘッドユニットからの情報を電気信号で送り込みます。良いスピーカーであればその信号に即座に反応しリアルな細やかな表現を奏でてくれます。しかし、残念なことに純正のスピーカーケーブルでは、その微細な電気信号を伝えてはくれません。純正のスピーカーケーブルは、音質の事を考えて作られていないので、伝達ロスが多い上、車両ハーネスと一緒に配線されているため車の電子パーツなどのノイズも多く拾ってしまいます。確かに配線はつながっているので音は出ますが、といった有り様です。

「ケーブルを変えるだけで本当に音が変わるの?変わっても素人だから分からないよ」とおっしゃる方も非常に多いですが、その差は歴然です。

マイスターではそんな疑問にもお答えできるようケーブルの比較試聴もできるようになっています。

ケーブルの比較試聴をしていただいたお客様の100%が音の変化に気付かれるほどです。

ご存知の方も多いとは思いますが、オーディオ業界では、1mで5,000円以上するようなケーブルも数多く販売されています。しかし、それが価格に見合った性能を兼ね備えているかといえば、残念ながらそれにそぐわない物も存在するのも事実です。

そこで、マイスターでは試聴テストや経験により、厳選したケーブルをオススメいたします。

 

カナレ

コストパフォーマンスに優れたスピーカーケーブル!騙されたと思ってまずは変えてみよう!

数あるスピーカーケーブルの中でも郡を抜くコストパフォーマンスの優れたカナレ電気のケーブルをオススメします。

こちらのカナレ電気のケーブルは多くの映画館やスタジオでも採用されている物で、大量に使われているおかげで価格も安く抑えられています。

その実力はと言うと、1000円/mのケーブル以上にも勝るとも劣りません。シースも複合シースタイプと言う拘りようです。

シースとは導体を包む絶縁素材のことで、硬いシースで導体を包み込むと高域がクリアになり、柔らかく包むと低域のエネルギー感が増します。複合シースにする事でサウンドのチューニングが出来、良い音になるので、ケーブルの構造を見ることでどのような音づくりを目指しているかも見えてくるわけです。

 

カナレ 4S6G 350円/m(税別)

 

シャークワイヤー

この価格でこの音質!こちらもコストパフォーマンスに優れた逸品!

こちらはシャークワイヤーのシルバーメッキタイプ SP20122R 1,900円/mです。

マイスターでも人気のケーブルで、ハイエンドオーディオでも十分通用する逸品です。

スピーカーケーブルの中には純銀を使用した高級ケーブルが存在し、このシャークワイヤーでもそのラインナップが用意されています。

銀は電気の伝達速度が早いので、音の立ち上がりが良く高解像度で繊細な音色が楽しめます。中域から高域にかけての抜けの素晴らしと、低域のメリハリのあるアタックを両立させているので、純銀の魅力に心奪われてしまうお客様もいらっしゃいます。

このシャークワイヤーのSP20122Rはメッキタイプなので純銀ではありません。しかし、このケーブルの凄い所は、一般的にケーブルで使用されているメッキ層の厚さは10μ程ですが、SP20122Rはその4倍に及ぶ40μのメッキ層でOFCケーブルを覆っているので、シルバーケーブルの良さが際立って、解像度が非常に高く、伝達による位相変化もかなり少なくピュアな音場が作りやすいです。

 

シャークワイヤー SP20122R 3,080円/m(税別)

 

M&M DESIGN

 

コンセプト、それは高S/N、高解像度、広帯域、また倍音スペクトラムを忠実に表現できるケーブル、低域から高域までスムーズにつながり、スピーカーが本来持っているポテンシャルを100%引き出す。

音の立ち上がり、ハイスピード&ハイレスポンス、パワフルかつ繊細、ナチュラルな直接音と澄み切った間接音、スピーカーケーブルに求められるすべてを兼ね備えたハイエンドスピーカーケーブルです。

 

M&M DESIGN SN-MS2500Ⅲ 7,500円/m (税別)

 


スピーカーケーブルの引き直し!

スピーカーケーブルを引き直すときに注意しないといけない点があります。

それはデッキから左右同じ長さで、直接スピーカーまでケーブルを引く事です。

ドアに配線を通すのが大変だからとその部分だけ純正ケーブルを使用するなどと言う事はありえません。せっかく良いケーブルを使用したとしても、その特性が純正ケーブルレベルになってしまいます。 また、途中で繋ぎ直したりするとそこは抵抗となってしまいます。異金属へと変化をするたびに音の変化が生じてしまうので、シンプルに配線するほど高音質が得られるのです。

 


パッシブネットワークの活用

パッシブネットワークとは可聴周波数帯域の音をそれぞれのスピーカーユニットに対し、適した周波数帯域のみを入力させるためのフィルターです。フロント2wayシステムの場合、ドアに付けるミッドバスには中低域、ピラーやダッシュボード上等につけるツィーターには高域を入力します。適した周波数帯域を入力しないと音の濁りが出たり、ツィーターに至っては破損する恐れがあります。 また、本来音という一つのものを高音と中低音、二つに分けます。しかし音が耳に入るときにはそれが一つとなって聞こえなくてはいけません。パッシブネットワークの性能によって音は大きく左右され、まとまりのない濁った音になる可能性があるのです。

スピーカーユニットの特性はもちろん取り付け位置などによっても最適なクロスポイントは変化します。その適した周波数帯域を綺麗に再生すべく高品質な素子を使うことが音質向上の鍵を持っていると言っても過言ではありません。

 

また、最近では2WAYのフロントスピーカーを4チャンネル分のアンプを使用して鳴らすバイアンプ接続を多く活用しています。

タイムアライメントやパワーの兼ね合いでもお勧めする接続方法ですが、パッシブネットワークを使用する場合はこれに対応できるパッシブネットワークを使用しなければなりません。マイスターではバイアンプ接続に対応していない場合はパッシブを加工するなどし、より良い環境で接続できるように致します。

 


音楽を聴くために、リアスピーカーって必要ですか?

スピーカー交換をしようとするお客様によく質問されることがあります。

「リアスピーカーは変えたほうがいいですか?」と。

5.1chサラウンドシステムをお考えであれば交換はしたほうがいいですが、ステレオのCDやステレオ録音のDVD、すなわちステレオ2チャンネル音源を再生するのであれば必要ありません。むしろ、リアスピーカーを鳴らさない方がよりクオリティの高い音作りが可能になります。 でも、後ろの人に音楽が聞こえなくなるのでは、とお考えの方もいらっしゃると思いますが、それは純正スピーカーだからこそリアも必要になっていたのです。

残念なことに純正スピーカーの再生能力は非常に低いです。

仮に性能の低いスピーカーをフロント側のみに使用していたとします。後ろに乗った友人に、音楽が聞こえないからボリュームを上げてと言われても、友人が満足できる音圧になる前にボリュームを上げるのをやめてしまうのではないでしょうか。 なぜなら、スピーカーの性能が低いためにボリュームを上げると音が歪み始めてうるさいと感じてしまうからです。

コンサートへ行くとかなり大きな音で演奏を聴きますが、うるさいとは感じず大きな音と感じるはずです。人間がうるさいと感じる要因は歪に関係していることがうかがえます。

では、後部座席の友人にも音楽を聴かせるにはどうしたらいいか。それは、ボリュームを上げても音が歪まない高性能スピーカーに交換すれば済むのです。自動車の室内空間はとても小さく2畳分の部屋といったところでしょうか。 今までご紹介したスピーカーは、その空間の空気を正確に音という振動に変換することは容易にできるのです。

しかしながら、自動車メーカーではコストのかかる事は出来ません。そこでスピーカーの数を増やす方法をとったのです。確かにスピーカーの数が増えれば車内の音圧が稼げるのでボリュームの上げられないスピーカーにとっては非常に有効な方法です。

さらに、自動車のカタログに[スピーカーが10個付いています。]とか、[15個ついています。]と明記することができます。実際に試聴をせずに選択するのであれば、いっぱい付いていた方がいい音がしそうな気がしますしね。イメージ戦略です。

しかし、いい音で音楽を楽しみたいのであれば、高性能なスピーカーを適した数使用するだけでいいのです。逆に数が増えれば増えるだけそれぞれの音が干渉しあい良い音にまとめ上げていくのが大変難しくなってしまいます。

そこで、マイスターではリアスピーカーを鳴らさずフロントだけで音作りをすることをオススメします。リアスピーカーを鳴らさないということはリアチャンネル分の内蔵アンプが余ります。それもフロント側で使用するのです。

ナビなどのヘッドユニットは最大出力45W×4chの内蔵パワーアンプを持っています。しかしながら、実際に使用できる定格出力の範囲は半分位の20W×4ch位といったところでしょうか。

一般的な接続方法を取ると、フロントでは20Wの2chすなわち計40W分しか使えませんが、フロント用内蔵アンプでミッドバス、リア用内蔵アンプをツィーターに接続することにより、20W×4chトータル80W分がフロントスピーカーで使用できるのです。これをバイアンプ方式といいます。

バイアンプをすることで、内蔵アンプとは言え余裕を持ってよりパワーをかけることができるおかげで、繊細な表現と力強いサウンドを手に入れることができるのです。

さらに凄いのはここからです。 最近のナビゲーションには車内の特性に合わせていい音を作り出すための調整機能を兼ね備えたものが多く存在します。リスニングポジションからそれぞれのスピーカーまでの距離を入力し距離の誤差によって耳へ音が届くズレを補正するタイムアライメント機能。この機能もバイアンプ接続する事によりフロント2WAYシステムの全てを個々に調整することができます。

それによってそれぞれのスピーカーユニットから発せられた波面が、同時に耳に届く音を聴いた瞬間、あなたは驚きのカーオーディオサウンドを体験することになります!

音の波面が揃って耳に届くためエネルギッシュかつ繊細でリアリティな音が心地よく響き渡り、何よりあたかもそこで歌っているかのような臨場感溢れるステージングが目の前に広がっています。車に乗るたび、そのような環境で音楽が楽しめるとは至福の時ですね。

6ch以上の調整機能を持つDSPを付けた場合は、リアスピーカーの音の波面をフロントスピーカーに合わせる事が出来ます。室内の音圧を稼ぎつつフォーカスを合わせる事が可能ですので、小口径スピーカーユニット等をお使いのお客様にはリアスピーカーを使用するのもおすすめの方法です。

 


音楽を聴くための、リアスピーカー活用法!

むむむむ?

前述の内容を把握した方はリアスピーカーの活用法?リアスピーカーはいらないのでは?と思っているに違いありません。

繰り返すようですが、ステレオ音源の再生には右と左の2チャンネル分のスピーカーがあれば良いのです。

では、どのようにすればリアスピーカーを鳴らしてきれいな音を表現できるのか?

それはリアスピーカーの音もしっかり調整すれば良いのです。

では、タイムアライメントに着目してみましょう。ここまでのコラムをしっかりと理解している方ならお分かりだと思いますが、時間軸のずれが音質にとって悪い影響を出しています。それを解消するためにバイアンプ接続することにより、それぞれのスピーカーユニットのタイムアライメントを調整できます。では、リアスピーカーを付けた場合、リアスピーカーの時間軸のずれを補正しなければならない事はお気づきだと思います。フロントスピーカーでナビの4チャンネル分の調整機能を使い切ってしまった場合は、リアスピーカーは調整できなくなります。そこで6チャンネル以上のDSPを取り付けるのです。そうすれば、リアスピーカーの音も調整することが可能となり車内の音圧を稼ぐのに一役買ってくれます。小口径スピーカーなどのユニットをお使いの方や、より力強いサウンドをお求めの方にはお勧めの方法でもあります。

その場合の調整方法ですが、フロントスピーカーの整った音の波面にリアスピーカーの音の波面を重ねるイメージで調整いたします。すると、より厚みと奥行き感のあるサウンドになります。ここで重要なのが、リアスピーカーの存在感は出さない事です。なぜなら、ステレオは2チャンネル信号で、右側の音だけで見た場合は元々一つの音、1チャンネルの音です。それが前から後ろからばらばらに聞こえてくる事は本来の一つの音から変化したという事です。

例えば、トランクにサブウーファーを取り付けた場合でも、インストールや調整によって、その重低音はトランクから聞こえる事は無く、ダッシュボード上で厚みのある重低音を表現します。この手法と同様、調整をしっかりとする事によって、リアスピーカの存在感を出さずに、ダッシュボード上のステレオイメージを崩すことなく音圧を稼ぐことが可能です。

ただし、音源が増えれば増えるほど、より高度な調整技術が必要になります。

 

最近では、フロントとリアを別のソース音源を再生する事の出来るダブルゾーン再生機能を持ったナビも発売されています。

前席では音楽を、後席では子供がDVD鑑賞といった感じですね。

この様な状況を再現するにはもちろんリアスピーカーの存在が必要になりますので、その場合はリアスピーカーもしっかり調整をした方が良いですね。勿論、前後別音源を再生したときは、それぞれの音がそれぞれの場所で聞こえます。

 

これらの事からお気づきだと思いますが、スピーカーユニットの性能を引き出すためにバッフルボードやドアデットニングをきちんと施工することは重要な事です。しかし、それぞれのスピーカーユニットからばらばらに発せられた音を、人が音として認識する時点において整っていなければ性能を最大限引き出す事はできません。

 

最近では、ネット通販などで購入をし、ご自身でスピーカーの取付をなさる方も多いと思いますが、オーディオの大切なところはそのスピーカーが付いていればいいと言う事ではありません。そのスピーカーから出るいい音が必要なはずです。

スピーカーから奏でられる音楽により心が揺さぶられ、力強く奮い立たされ、そして、時には癒される。

音楽には人に感動を与える力を秘めています。マイスターでは勿論、全国には数多くのオーディオプロショップが存在し、日々インストール・調整技術の向上を目指し、お客様へ満足の出来る音の提供をしておりますので、車でいい音が聞きたいと思われた方は、是非、お近くのプロショップに足を運んでみてください。きっと音楽の感動を体験することが出来ます。